スタートアップ資金調達リサーチ【Week : 12/2-12/6】

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12月が始まり、さっそく様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。

この記事では、12月2日から12月6日の間にリリースされたスタートアップの資金調達ニュースをまとめています。

さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。

About

EV充電インフラのテラチャージ、100億円の資金調達を実施

事業内容: EV充電インフラ事業

調達金額: 100億円

引受先: みずほ銀行、東邦ガス、みずほリース、河村電器産業、海外機関投資家など

今後の展望: EV充電器の設置拡大、人材採用、開発、海外拡大

テラチャージは、電気自動車向け充電サービス「Terra Charge(テラチャージ)」を提供するエネルギースタートアップです。EV充電器の設置や運用保守といった充電器関連の事業のほか、EVユーザー向けにEV充電器の利用・決済ができるアプリ「Terra Charge」も提供しており、ハード面、ソフト面の両面でEV充電インフラ不足の課題解決を目指しています。

テラチャージは日本国内でのEV充電器をリードしており、2024年10月末時点で、1万口を超える充電器を設置してきました。また、海外でもアジア圏にて充電器の展開を進めており、インド、タイ、インドネシアの3国で設置実績があります。テラチャージはEV充電インフラに課題を抱える日本において、主要なシェアを握ることを目指しています。

ナレッジプラットフォーム「Qast」を運営するany、10.55億円の資金調達を実施

事業内容: デジタルプラットフォーム「Qast(キャスト)」の企画、開発、運営

調達金額: 10.55億円

引受先: JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、農林中金キャピタル、横浜キャピタル、 ごうぎんキャピタル、アイキューブドベンチャーズ、りそなキャピタル、DE-SIGNキャピタル、 Archetype Ventures、みずほキャピタル、DIMENSION

今後の展望: AIソリューションの高度化、マルチプロダクト展開、市場の認知拡大

anyは、組織に埋もれている個人の知識や経験を共有することを目的としたクラウドサービス、「Qast(キャスト)」を運営するプラットフォーマーです。「Qast」は組織が持つ知識や情報を効率的に収集、整理、共有、活用するためのプロセス、「ナレッジマネジメント」を効率的に進めることができるサービスで、2024年には7万人を超えるユーザー数を獲得しています。

「Qast」は知識を気軽に共有できる機能を多く搭載しています。誰かの疑問とそれに対する回答を蓄積することができる「社内版知恵袋」や、業務での困りごと・知りたいことについて、匿名かつ200文字以内で気軽に投稿できる「こましりbox」など、使いやすい機能を多数搭載。また、「Qast」に搭載されたAI「Qast AI」は、それらのナレッジを学習し、自動的な回答やサマリ作成を行います。

商談解析ツール「amptalk analysis」を提供するアンプトーク、10億円の資金調達を実施

事業内容: ソフトウェアの開発及び運営

調達金額: 10億円

引受先: グローバル・ブレイン、Angel Bridge、スクラムベンチャーズ、モバイル・インターネットキャピタル、明治安田未来共創ファンド

今後の展望: マルチプロダクト戦略を加速、新ツールのベータ版をローンチ

アンプトークは、ITを活用し、営業組織の生産性向上と人材育成を目指すテック系のスタートアップです。現在の主力プロダクトである商談解析ツール「amptalk analysis」は、SaaS企業の時価総額ランキング上位5社のうち4社に導入されており、特にBtoB営業領域において広い支持を集めています。また、「amptalk coach」というAIを導入した育成サービスを提供予定で、マルチプロダクト戦略を推進しています。

「amptalk analysis」は、電話・商談内容を書き起こし・要約・解析できるサービスです。IP電話やオンライン商談ツールで通話するだけで、内容がテキスト化され、自動的に営業サービスに記入されるなど、利便性に優れます。トピックの自動分析やメンバー比較も簡単に行うことができ、データに基づいた営業戦略の立案をサポートします。また、今月ベータ版をリリースした「amptalk coach」は、営業資料や導入事例から学習したAIと商談ロールプレイングができるAIトレーニングツールで、人材育成に利用できます。

契約業務・管理クラウドを提供するHubble、7億円の資金調達を実施

事業内容: 契約業務における摩擦や無駄な負担をなくし、より効率的なコラボレーションを実現するプロダクトの開発・提供

調達金額: 7億円

引受先: JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、DNX Ventures、Archetype Ventures

今後の展望: 生成AI等の新技術への投資、組織拡大

Hubbleは、法務とITを掛け合わせた、「リーガルテック」領域を専門とするスタートアップです。法務と事業部門の協業を促進し、生産性向上を実現する契約管理クラウドサービス「Hubble」および「Hubble mini」を提供しており、AI技術を活用し、契約業務の効率化とDX推進を通じて、企業活動を支援しています。

「Hubble」は、契約業務・管理ができるAIクラウドサービスであり、契約書の作成・審査依頼から締結後の管理まで一気通貫で利用できます。法務担当者だけでなく、各事業部門も使いこなせる使いやすさを目指して設計されており、導入後の継続率は99%を超えています。契約書の台帳を自動作成するサービス「Hubble Mini」は、PDFの契約書を入れるだけで、基本項目のほかユーザー設定の項目を自動的に読み取り、項目ごとに台帳に登録するサービス。こちらも利便性が高く、契約書の管理にかかる時間を大幅に削減できます。

新しい空間スキャン手法を開発するnat、5億円の資金調達を実施

事業内容: Scanatの開発・運営および戦略・システムコンサルティングサービス

調達金額: 5億円

引受先: DEEPCORE、TOPPANホールディングス、Dual Bridge Capital

今後の展望: 「Scanat」の開発を加速、新規事業の立ち上げ、マーケットでの認知度向上

natは、iPhone/iPadのみで3Dスキャンが可能なアプリ、「Scanat」を提供している企業です。特に3D領域やアプリ開発においては先進的な技術力を有しており、「Scanat」ではミリ単位での計測や曲面の計測が可能で、アプリでこれらの機能が使用できるのは世界初です。

「Scanat」は、スマホのLiDARセンサーを活用したAI測量アプリです。安価なサブスクリプションですぐに使用を開始することができ、コストパフォーマンスに優れます。収集した3Dデータから図面を自動作成することもでき、従来の手法よりも現場の記録を便利に行うことができます。建設や住宅関連などの産業において手間だった計測、記録を飛躍的に効率化できるポテンシャルから、大きな注目を集めています。

まとめ

12月2日から12月6日の資金調達例をまとめました。

テラチャージの100億円という巨額の資金調達からは、EV関連事業への注目度の高さが伺えます。

プラットフォームやクラウドサービスとAIを組み合わせたサービスは引き続き資金調達に成功しています。アンプトークは営業方面に、Hubbleは法務方面にAIを有効活用しており、生産性、効率性を高める技術として注目されています。

「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。

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