12月が始まり、さっそく様々な分野で活躍するスタートアップ企業が資金調達を発表しています。
今週は、特にアプリケーション関連で資金調達のニュースが目立ちました。そこでこの記事では、12月9日から12月13日の間にリリースされた、アプリケーション関連事業の資金調達ニュースをまとめています。
さらに、事業内容、調達金額、今後の展望についても詳しく解説します。
新しい福利厚生を提供するHQ、20億円の資金調達を実施
事業内容: 次世代型福利厚生プラットフォーム「カフェテリアHQ」、リモートワーク支援プラットフォーム「リモートHQ」の提供
調達金額: 20億円
引受先: グローバル・ブレイン、MPower Partners、ニッセイ・キャピタル、オムロンベンチャーズ、NTTデータ・スマートソーシング、Eclectic Management、Coral Capital、Spiral Capital
今後の展望: 新規事業開発
HQは、福利厚生を専門とするデジタルプラットフォーマーです。同社の主力プロダクトである「リモートHQ」は、リモートワークを支援するためのプラットフォームであり、会社が月額費用を設定し、社員がサービスを選択するという形で、従業員それぞれのニーズに合わせた福利厚生を提供します。またカフェテリアプランである「カフェテリアHQ」では、AIを活用した個別最適なサポートを提供しています。
HQは、「EX(Employee Experience、従業員体験)プラットフォーム構想」という構想を掲げています。これは、従業員が求める体験を包括的に支援するエコシステムを指し、多角的なサービスをパッケージとして提供することで、新しい福利厚生のあり方を目指すものです。パートナー企業と協業することで、2026年までに7つのサービスを提供し、構想を実現することを目指しています。
AIメンタルパートナーのアウェアファイ、4億円の資金調達を実施
事業内容: デジタル・メンタル・プラットフォームAwarefyの企画・開発・運営業務
調達金額: 4億円
引受先: DBC1号投資事業、GENDA Capital 1号投資事業、epiST Ventures 1号投資事業、オールアバウト、デジタルヘルスファンド大阪投資事業
今後の展望: アプリのAI機能強化、リアル拠点の運営
アウェアファイは、心理学の理論とAI技術を組み合わせ、心の健康をサポートするアプリ、「Awarefy」を提供するプラットフォーマーです。公認心理師や臨床心理士をはじめとする心理の資格保有者が社員の25%を占め、また早稲田大学人間科学学術院との共同研究を進めているなど、心理学に関しては専門的なノウハウを有しています。
「Awarefy」は、科学的にエビデンスのある療法を取り入れており、認知行動療法や、マインドフルネスなどの理論を基に開発されています。自分のコンディションをAIが分析する機能や、カウンセリング機能を有しており、自分自身への気づきを得られる構成になっています。アウェアファイはこのアプリのコア技術を多様な形で提供することで、メンタルヘルスケアをより実践しやすくすることを目指しています。
AI技術を活用し商品データ整備を行うLazuli、10億円の資金調達を実施
事業内容: プロダクトデータプラットフォーム「Lazuli PDP」の開発・提供
調達金額: 10億円
引受先: グローバル・ブレイン、SBIインベストメント、Carbide Ventures
今後の展望: プロダクトの進化、組織拡大、海外展開
Lazuliは、AI技術を活用し商品データ整備を行うアプリケーション、「Lazuli PDP(Product Data Platform)」を提供しているスタートアップです。「Lazuli PDP」は商品情報を一括して管理し、データを活用しやすい形に整備、連携するためのプラットフォーム。社内外に点在している多様なデータを各ソースやWebから直接取り込み、収集したデータを各種ツールに自動的に連携させます。
Lazuliはこれまでリテール企業やEC事業者、B2Cメーカーを中心に「Lazuli PDP」を提供しており、生産性の向上に寄与しています。実際に大手小売のベイシアへの導入例では、EC売上が3ヶ月で3倍、商品情報登録時間80%削減、などの成果を上げています。Lazuliは今後、特化型のAI機能を順次リリースする予定であるほか、他の領域にも着手していく方針です。
マイナンバーカード・デジタルIDの公的活用を促進するクロスアイディ、約6億の資金調達を実施
事業内容: マイナンバーカードを活用したアプリやAPIの開発、提供
調達金額: 6億円
引受先: りそなキャピタル、SocioFuture、DNP、Hamagin DG Innovation Fund、三井住友銀行、両備システムズ
今後の展望: デジタル郵便サービスの拡大、民間分野への展開
クロスアイディ(以下xID)は、マイナンバーカードやデジタルIDを活用した自治体や企業の課題解決・新規事業創出を総合的に支援するGovtech企業です。Govetechとは、政府(Government)と技術(Technology)を組み合わせた言葉で、政府や自治体の業務効率化を、ICTの利活用によって推進する企業やムーブメントを指します。xIDは、マイナンバーカード事業に特化しており、全国1741すべての自治体で「xIDアプリ」が導入されるなどの実績を有しています。
xIDの主なプロダクトは、「xIDアプリ」と「xID API」。「xIDアプリ」はマイナンバーカードを機械にかざして無料で使用できるアプリで、本人確認や官民の連携サービスへのアクセスを簡単に行うことができます。「xID API」は、マイナンバーカードを活用したオンライン本人確認や認証・電子署名が簡単に実装できるID基盤です。ウェブサイトやアプリにマイナンバーを利用した仕組みを簡単に実装でき、国際標準仕様に準拠した認証・認可機能が利用できます。
まとめ
12月9日から12月13日の資金調達例をまとめました。
AIを活用したアプリは資金調達に成功しており、HQやLazuliは、データの利活用において生成AIの技術を使うことで、生産性の向上やユーザー体験の向上を目指しています。また、アウェアファイは心理学と組み合わせる形でAIを活用しており、敷居の高かった心理学の専門的なケアを広めていくことを目指しています。
xIDは自治体や政府を念頭においたサービスの展開によって、結果を残しています。
「Plus Startup」では、今後も資金調達例を紹介してまいります。
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